『ロミオとジュリエット』ナショナル・シアター・ライブ
ケネス・ブラナー演出、リリー・ジェームズ主演ということで期待して劇場へ。
なんとなく正統派っぽい演出だと予想して行ったが、完全に裏切られた。
若者の性急さとか衝動の激しさとかに焦点が当たっていて、全シーン大忙し。
なんつーか、ロマンティックさをかなーり排除した感じのロミオとジュリエットだった。
<こっから演出関係のネタバレ>
まさかのバルコニーシーンでジュリエットが飲酒(笑)しかもかなり豪快に。
確かに「あんなセリフよくシラフで言えるなー」って笑っていたけど、まさかそんな解釈があるとはww
そんなわけで伝統的な清廉潔白なジュリエットでは全然ない最近の若者のようなジュリエットをリリー・ジェームズが超エネルギッシュに演じています。
テンポもめちゃくちゃ早くて、バルコニーも、別れのシーンも、死のシーンも、「あれ?このシーンこんなに早かったっけ?」って思うレベルでガンガン進んでいく。
特にラストシーンはなんの余韻もタメもなくジュリエットが胸を刺しちゃうので、あっという間すぎてあっけにとられるレベル。
あれはなんの意図があったんだろうなー。
あ、あとマキューシオにデレク・ジャコビという大ベテランの名優を持ってきたもんだから、ロミオ、ベンボーリオとマキューシオの年齢差がすごいことに。
マキューシオは立ち位置の謎な、粋で面白いおっさんになってしまったwww
冒頭で若者の性急さって書いたけど、この芝居だと性急なのは若者だけじゃないんだよね。
キャピュレットの親父はかなりの激情家だし、マキューシオは若者じゃなくなっちゃったし、ローレンスも(まあ、こいつはいつもだけど)どこか抜けていてあわてんぼうだし。
これがブラナーのイメージするラテンのテンポなのかしら。
いやー、ある意味面白かったけど、ちょっと予想外。