『虚仮威』柿喰う客
虚仮威ってこう書くんだな……。
知らなかったわ。
女体シェイクスピア以外の柿喰う客はより久しぶり。
今回は大正というやけに賑やかで日本の文化と西洋の文化がぶつかり合ってるような時代での家族劇。
家族の形、自分の本当の望み、女性差別あたりがテーマになるのだろうか。
コミカルな演技とアクロバティックな身体表現は相変わらず見事。
ただ、そのあたりは楽しめたけど、ストーリーはそこまで心に刺さらず。
※ネタバレ注意
世界征服するとか言いつつ、そのために何か具体的にやってるわけでもなし。
サンタを捕まえるのも、結局サンタの目的もそこまで意外ではなく。
座敷童の話も嫌いじゃないけど、残念ながら扱いが軽く。
オチにあたる主人公の正体(?)もあまりびっくりもせず。
(ラストシーンでお父さんが「何が悪かったのだ?」と問うシーンでは思わず「いや、悪いのはお前だよ」と心の中でつっこんでしまった。)
一番最後の夫婦の話も、どっかで聞いたような話と思ってしまった。
強いて言えば、最後の父親からサンタへの宣言だけはちょっと面白かったかな。
親が子どものほしいものを一番わかる存在でありたいという宣言は、親になって子どもを育てている中屋敷さん自身の決意なのかな、なんて勝手なことを思った。
一つ一つのシーンは見応えがあるのだけど、全体としてのクライマックスにあまり乗れず、テーマが混在しすぎていてずっしり心にくるものは残らず。
そんな感じでした。