『エンターテイナー』ブラナー・シアター・ライブ
ブラナー・シアター・ライブで『エンターテイナー』を観た。
廃れゆくミュージックホールのコメディアンの家族劇。
ほとんど一つの家族のメンバーしかキャラクターとして出てこないのに、当時のイギリスの社会問題が感じ取れる。
階級、貧困、差別、戦争……。
そして、それらは初演から50年以上経った今のイギリス、今の世界にも当てはまってくる。
最初は正直に言って登場人物たちの関係性がわからず……。そして、若干眠気に負けつつ。
でも、はっきりと筋をつかみ始めてからは面白く観れました。
酒を飲み、くだをまき、脈絡なく怒りだす登場人物たちにはあまり共感できず。
唯一、自立して考える娘のジーンが不憫。
途中で理不尽に当たり散らされたフィービーのために、なぜ家庭にとどまる選択をしたのか、正直に言って謎。
同じ女性として、学校に行けず、夫にも裏切られかけたフィービーを哀れんだのか……。
息子のフランクも今の家族を決してよく思っていないのに、色々溜め込んで父親についてそうで不憫。
全体的に決して快適とは言えなさそうなみんなが、それでも家族として共に生きようとするのはなぜなのか、考えてしまった。
アーチーの最後のショー、夢の中で男はなんと言ったのだろう?
原文にあたってゆっくり考えたいものだ。