なんか好きなものについて、ちょっと書いてみよう

本、マンガ、映画、舞台、美術館、旅行。なんでも好きです。好きだなーと思ったものについて、書いて留めようと思います。

『美女と野獣』ビル・コンドン

アニメ版を見たのははるか昔で何となくしか覚えていないのだけど、歌が大好きなので楽しみに見に行った。
期待通りの映像と歌で非常に楽しかったわー。
おぼろげな記憶の中で端役だったと思うキャラクター達に、しっかり肉付けされていて、話が立体的になっている。
ベルの母親に何が起きたのかを語ることで、父親モーリスのキャラクターに説得力を持たせ、ベルとモーリスの関係性も補強された。

野獣の方も生まれつき放蕩なわけではなく、母を失った悲しみと父親の教育のためにあのようになったことが説明されていて、それが召使いたちの優しさの説明にもなっている。
お城のキャラクターたちも、ルミエールやコグスワース、ポット夫人だけでなく、プリュメットやマダム・ド・ガルドローブ、カデンツァ(こいつなんてアニメじゃいなかったのでは?)なんかも、かなり登場シーンが増えて関係性が見えやすくなっている。
彼らが固まってただの道具になってしまうところは、どうせ戻るとわかっていても悲しくなったわ……。
ベルが野獣の城に初めて行くところとか、わりとテンポよく進むところは進んで、こうやってキャラクターたちの描写に時間をかけているのは好感が持てる。

(ネタバレ)

しかも、実は町の人たちとは家族や知り合いだったなんて思わなかったわ。
おとぎ話の不審なところをカッチリと埋めている。
(だけど、この話って最初に魔法をかけられてからどれくらいの期間の話なんだろう? 数日とかそこらなのか、数年くらいは経っているのか?一回ポット夫人が「長い間」って言った気がするんだけど、ラストシーン見た感じだとそんな長い期間魔法にかけられていたようでもないし、バラの花がそんなに持つわけもないし…)

※追記

ルミエールがBe our guest.で10年間って歌ってたわ。まあ妥当かな。バラの花は魔法のものだからってことで。

しかし10年間子供のままってチップが1番かわいそうだね…。

※追記終わり

 

あと、ル・フウがアニメだと単なる頭の悪い取り巻きみたいなキャラだった印象だけどちょっと変えて同性愛者らしく見せて、ガストンの女房役としての性質が強く出ていた。
ル・フウは最後他のゲイっぽい男性と踊ってたから、多分本当に同性愛者なんだろうな。
こういうキャラをしれっと出すことにディズニーは最近意欲的な気がする。
しっかし、ガストンだけが救いようがないクズだよな、この話って……。

(ネタバレここまで)

本編も好きだけど、エンディングで役者たちが順々に出てくるのが舞台のカーテンコールのようで最高に好き。