なんか好きなものについて、ちょっと書いてみよう

本、マンガ、映画、舞台、美術館、旅行。なんでも好きです。好きだなーと思ったものについて、書いて留めようと思います。

「ミュシャ展」国立新美術館

美しい女性の綺麗なポスターで有名なミュシャが晩年を捧げて描いたスラヴ叙事詩が公開されたので早速見に行く。
圧巻だった。
特に出来が良いとされる最初の3枚は見ていると、想像力を揺さぶられて鳥肌がたった。
自分が好きな絵ってのは見ていて「物語を感じる絵」なんだけど、スラヴ叙事詩は強くそれを感じた。
空中に描かれた神や王たちからだけでなく、地上の人々一人一人にドラマがあることを予感させる絵だった。
市井の人々がしっかり書き込まれ、主題となる有名な人物の他に、象徴的な市民も強調して描かれているためかな。
また、女性や子供、老人も書き込まれ、一人一人、書き分けられているのも特徴なんだろうな。
2番の「ルヤーナ島でのスヴァントヴィート祭」の踊り子が特に好き。

最初の3枚以外で好きなやつは以下。
7番の「クロムニェジーシュのヤン・ミリーチ」
苦しみを超える女性のドラマに惹かれるのかな。地上にいる2人の女性が目を引く。
12番の「ヴォドニャヌイ近郊のベトル・ヘルチツキー」
復讐に燃える男の手を受け止めるヘルチツキーの姿が印象的。
13番の「フス派の王、ポジェブラディとクンシュタートのイジー」
その時歴史が動いた」的な雰囲気が好き笑
14番「ニコラ・シュビッチ・ズリンスキーによるシゲットの対トルコ防衛」
珍しく戦闘の場面がそのまま描かれる。
ただし、兵隊だけでなく女や老人まで描かれているのが目につく。激しいたたかいを想起させる赤が印象的。
20番「スラヴ民族の賛歌」
メッセージ性を強く感じる象徴的な作品。今までの復習のように神話の時代から近世まで描かれている。

基本的に自分は「自分たちの民族アイデンティティを残すために創造的活動をする」っていう事自体が好き。他はグリム兄弟くらいしか知らないけど。
自分たちの精神を保つために芸術が持てる役割の一つだと思う。
もちろんナショナリズムポピュリズムにならないよう注意はいるのだろうけど。

後半のポスターなどは以前見たミュシャ展と同じものも多かった。
ハムレットがあったのが、小さな収穫(笑)