『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』デビット・イェイツ
ハリウッドの文脈に正しく乗せたハリー・ポッター世界。
つまらなくはないけど、感動するほど面白いかと言えば微妙。
どの辺が微妙かまとめてみた。
【プロットが微妙】
町を巻き込む大きな事件、主人公はちょっとしたミスと勘違いで権力に追われる。結局敵の黒幕は権力のナンバーツーくらいのポジションで、最終的に解決した主人公は無罪放免。
なんつーか、どこか他の映画で見たようなテンプレートをずっと辿らされた気分。
せっかく魔法生物っていう面白いテーマがあるんだから、もっといろんなところに行って、冒険してくれればいいのに。
どの辺か「魔法使いの旅」なんだよ。
(これは邦訳が悪いだけだけど)
ベタな話は嫌いじゃないけど、これは何から何まで話が読めすぎた。
あと、利用されてた子どもに救いなさすぎない?
集中砲火で普通に消えちゃうってどうなの?
呪文大好きなので、ラストの戦いでほぼ呪文がなかったのも残念。
エクスペリアームズとか、ステューピファイとかもっと聞きたかった。
【キャラクターが微妙】
ジェイコブというマグル(アメリカだとノー・マジというらしい)のキャラクターが非常にいい味を出してるのだが、彼の寛容さ異常じゃない?
意味のわからない魔法生物に襲われて毒までくらったのに、美人に介抱されて面白そうな魔法生物見せられただけで、あっさり友達になってんじゃねーよ。
もうちょっとなんかあるだろ。
その辺ちゃんとしたほうがラストがもっと良かったのでは……。
キャラは良かったのだけど、ニュートとの関係性の積み上げをもう少し丁寧にしてほしかった…。
なんか勢いで気に食わなかったとこばかり書いたけど、トランクの中にたくさんの魔法生物がいる世界観とか、色んな魔法生物を捕まえようとするところとかは普通に面白かった。
むしろそれメインでやってほしかったよ。
あと、どもりがちなニュートが魔法生物のことになるとちょっと饒舌になるとことか好き。
そんな感じで(過去のハリー・ポッター作品と比べて)一つの映画としてよくまとまってて良いけれど、突出していいところがあるわけでもないそんな映画でした。