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なんか好きなものについて、ちょっと書いてみよう

本、マンガ、映画、舞台、美術館、旅行。なんでも好きです。好きだなーと思ったものについて、書いて留めようと思います。

『この世界の片隅に』片渕須直

一度では咀嚼できない映画。でも、ここしばらく見た映画の中で1番心揺さぶられた気がする。

ことさらに悲惨さを煽るわけでなく、かといって凄惨さをつつみかくすわけでもなく、あの時代の広島と呉に生きる人の生活を描く作品。
何度も涙がこぼれそうになる。
すずの目から見えるものしか書かず、すずの目を通しているからこそ、どこか柔らかく優しく戦争が描かれる。
それでも、やはり失われる命や、治らない傷がごまかしようもなく表れる。

戦争の映画として見ていたけど、「この町の人はみんな誰かをなくしている」というセリフを聞いて、5年前の石巻や3年前の伊豆大島で聞いたことを思い出した。
被害の大きかった地域の人はみんな誰かしら家族や友人や知り合いを亡くしているのだと。
あの言葉は70年前の広島をさすだけの言葉じゃなくて、ここ数年で心に傷を負った様々な地域の人たちのことだし、おそらく来年再来年も起こるだろう災害を迎える人たちのことだ。