なんか好きなものについて、ちょっと書いてみよう

本、マンガ、映画、舞台、美術館、旅行。なんでも好きです。好きだなーと思ったものについて、書いて留めようと思います。

「トオリヌケ キンシ」加納朋子

加納朋子の短編集。
いろいろな病気や体質(?)の人がでてくる、優しさに包まれた話たち。
なんか、物足りないなーと思うのはなんでだろ?って思ったら加納朋子お得意のドンデン返しがあまりうまくいってないように思えるからかな。なんとなくオチが読めてしまうことが多かった。

・「トオリヌケ キンシ」
表題作。子ども2人とおばあちゃんのコミュニケーションが優しくていい感じ。
・「平穏で平凡で、幸運な人生」
共感覚の話。犯人の動機が何じゃそりゃーって感じ。旦那さんが冷静でかっこいい笑
・「空蝉」
読んでいて心にくるくらい凄惨な虐待のシーンが怖い。それに、或る日突然人の性格が一変することがあるという恐怖もしっかりある。好きではないけれど、「人間の行動は自分自身で一貫させられるものではない」ということは自分の考えに近いところもある。
・「フー・アー・ユー」
1番好きかもしんない笑。
人の顔を覚えられない病気(?)の少年と自分の見た目が気になって仕方ない少女の恋物語。よくまとまって幸せな気になれる短編。
・「座敷童子と兎と亀と」
面白いのだけど、なんとなく物足りない。お母さん随分あっさりと帰ってきたなーという感じ。一人一人のストーリーをもう少し深めたら、十分長編になったんじゃないかとか余計なことを思ってしまう。
・「この出口の無い、閉ざされた部屋で」
正直、オチは読めてたし、やり尽くされたネタなのに、ラストちょっとうるっときた。なんか悔しい。