『冬物語』ブラナー・シアター・ライブ
ポーライナがジュディ・デンチ、リオンティーズがケネス・ブラナー。
リオンティーズは統合失調症のようなものなのか。(いや、特にそう思わせる演出なわけではないけど、そう思わないとこの話をリアルに見れないんだよね)
裁判のシーンでのリオンティーズの変わり身にだけはどうしても、うまく乗っかることができない。
ポーライナは流石の重厚さ。今までみたもののイメージでもう少し若いイメージだった(多分MSPのせいだな。AUNのポーライナはどうだったっけ?)
確かに王様にあれだけのことを言うことを考えれば、ジュディ・デンチのような品位ある高齢の女優がやるのは自然なんだろう。
だけど、ポーライナがコミカルじゃないと、前半の悲劇感が強まるね。
ラストシーンのジュディ・デンチの声が圧巻。あれ生で聞いたら泣く…(映像でもやばかった)
あの声を何と表現すればいいんだろう。
朗々とではないし…
よく響き、ラストシーンの神秘性を強めていたと感じた。
あと、ラストシーンでは、ハーマイオニの「あなたに会うために生きてきた」の一言にグッときた。
リオンティーズが本当に許されていいのか、現実の価値観で考えると難しいところだよな。マミリアスは亡くなってるわけだし。
だけど、この物語ではパーディタの存在が全ての救いとなってエンディングとなる。おとぎ話のような団円が、この戯曲には合っている。