『レッドタートル』マイケル・デュドク
人が生まれ、愛する者を見つけ、子どもを産み育て旅立たせ、時に理不尽な命の危機にあいながらも寄り添いながら生きていく。人間の人生と死を無人島の中というミニマムな舞台の中で圧縮してシンプルに描く。
余計なものを全力でそぎ落として生と死と愛だけを描きたかったのかな。そんな映画。
少し前に生きていた生き物が数シーン後に死んだ姿で登場する生と死のメタファーが好き。
いくつかの謎は残る映画。
赤いウミガメは男に島にとどまってほしかったのかな?目的はなに?愛?
なぜ男はカメを殺したことを悔いたのだろう?カメに限らず、魚介類以外の動物を食べないのはなぜだろう?アザラシもカメも食えるだろと思ってしまった。
子どもは文明社会に向かったのか、海に向かいカメになったのか。見ている時は漠然と人間社会に向かったと思ってたし、パンフレットもそんなことが書いてあるけど、よく考えたら海の世界の可能性もあるよな。まあ、どちらでもいいのだけど。