なんか好きなものについて、ちょっと書いてみよう

本、マンガ、映画、舞台、美術館、旅行。なんでも好きです。好きだなーと思ったものについて、書いて留めようと思います。

『聲の形』大今良時

Kindleで1巻無料だったので,読み始めたらまんまと最終巻まで読んでしまった漫画第二弾!(笑)

つーか,俺この三連休で漫画代に7000円以上使ってるよ……。あかん……。

【概要】

転校してきた聴覚に障害をもつ女の子をいじめた少年の物語。

自分が人をいじめていたこと,そしてそれが原因で友達に裏切られいじめ返されたことによって他人と向き合うことができなくなった石田が高校3年生になり,かつていじめていた聴覚障害の少女,西宮に会いに行くところから本編が始まる。

 

【全体的な感想】

自分の罪の意識のせいで,自己承認がうまくいってないキャラクターってあまり読んだことがなくて,実に新鮮だった。しかも書き方が丁寧。周りのキャラクターたちも,いろいろ欠点がある分等身大で非常に良かった。ただ,真柴と川井だけは最後まで何考えているのかよくわからんかったわ…。逆に結弦は何を考えているのかがすごくわかりやすいキャラだったから登場すると安心できた。彼女にも謎はきちんと用意されていたけど。

 

【とりとめなくメモ】

一巻のいじめのシーンや,いじめっこだった石田がいじめ返されるシーンは読んでいて本当に胸が痛くなる。読んでいてしんどくなるのは,障害を持つ子どもがクラスに入ったときに周りの子どもたちがどう受け止めるのかの書かれ方がすごく説得力があるんだよね。五体不満足みたいに自然に受け入れられることもあるだろうけど,やはり負担に感じる子どもたちもいるんだろうなと思わせる描写がうまい。

小学校の担任の先生がクソだなーと思うんだけど,映画の撮影に小学校を使わせてほしいって頼みにいくシーンで西宮が「久々に来たかった」って手話で言っているのを読み取っているんだよね。いや,それでもクソだなーって思うけど彼は彼なりに思うことがあったんかな?

あくまで個人の趣味だけど,もっと幸せな後日談的なものが読みたかった。でもラストシーンで西宮が石田に手をひかれて踏み出す描写はすごいよかった。

四月は君の嘘』を読んだ直後のせいで少し比べてしまう。ジャンルが違うようだけど,どちらもボーイ・ミーツ・ガールだわ。

『四月』は読んでいる間が非常に幸せだけど,読後苦しくなる話。『聲の形』は読んでいる間は何度も苦しくなるけど,最後に希望を感じられる話。

『四月は親がひどいなーと思うけど,『聲の形』は親が本当にいい人で安心する。

 

【気に入ったセリフ・シーン】

西宮 俺とお前友達に…なれるか?(2巻)

 ⇒すべてが始まったシーン。1巻で西宮が伝えようとした手話をそのまま使ったことに2回目読んで気が付いた。

死ぬのやめるって言わなきゃコレ燃やすやよ!!(2巻)

 ⇒お母さんがほんっとーにいい人。名シーンでしょ。

どうやったら自分が昔より成長したって事を証明できるんだろう(5巻)

 ⇒この漫画で一番ささったセリフ。

こいつはみんなの気持ちを知りもせず 勝手にそれが一番いいって判断して飛び降りやがったんだ!!

 ⇒めちゃくちゃ暴力的なシーンだけど,言っていることは的を射ている。だから結弦も止められなかったのかな…。

もう意味ないってわかったから。これを見たら死にたくなくなると思って(6巻)

 ⇒結弦の考えがここでわかる。ここも名シーン。