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なんか好きなものについて、ちょっと書いてみよう

本、マンガ、映画、舞台、美術館、旅行。なんでも好きです。好きだなーと思ったものについて、書いて留めようと思います。

『四月は君の嘘』新川直司

1巻がKindleで無料だったので、ついつい読んでしまったのが運の尽き。

気がつけば最終巻まで一気に読んでました。

 

以下ネタバレあり。

前半は母の虐待じみた教育と、母を失ったストレスで心に傷を負った公生がその傷を超えていく物語。
後半はその傷を乗り越える力をくれた人であり、公生の恋の相手であるかをりが病にどう向き合うかの物語。

もう、本当に腹の立つくらい王道というか、読み飽きたラブコメで、不治の病の少女の話。
(中学から高校にかけて不治の病ものを読みすぎた反動か、基本的には不治の病ものが嫌いである。嫌いというか、「そんなもん泣けるに決まってるだろーが。」と思ってちょっと冷めてしまう)
それでも、一気に読んだのは多分下の二つ要素が気になったから。①は読み終わった今も納得がいかない。②は純粋にいい点だと思う。

①納得のいかない点:主人公の成長について

公生の母親は完全に虐待をしており、それによって負った公生の精神的傷を彼がどう乗り越えるかが気になった。
これについては、正しいのか答えはでない。母親の教育は明らかに行きすぎていたし、それによって公生はかなり強いトラウマを持つことになった。
その結果があるだけで、もはや母親がどれだけ子どもを愛していようとアウトじゃないかと思ってしまう面もある。
ただ、難しいのは母親が故人であり、行き過ぎた教育が彼女自身が病に臥せった結果だとすれば多少、同情もしてしまう。
いやーでもどうしてもあの母親はダメだと思うなー。最終的に公生が乗り越えられたからいいのかもしれないけど、もっと母親が否定される書き方でも良かったんじゃない?とか思っちゃう。
つーか、どうしても納得いかないのが父親の存在の無さ。おかしいだろ。妻が病で死にそうで日常的に虐待をしており、その妻が死んだあと、明らかに息子の様子がおかしいのに特になにをするわけでもないって。放任主義の一言で終えていい問題じゃねーぞ。完全にネグレクト。公生の負の感情が一切父親に向かわないのはおかしいだろ。母親との決着はきちんとついていたと思うけど、(その決着についてモヤモヤしないわけではないけど)父親のこと一切描写しないのはいくらなんでも無理があると思ってしまった。

②すごくよかったと思う点:演奏シーンの見事さと魅力的なキャラクターたち
これは本当にいい点。

演奏を受けて人々がどう感じているのか、そして何よりも演者が成長していくのがよくわかり、かつ美しい描写である。
コンクールでの演奏が主人公たちの成長の「結果」ではなく「過程」であることが盛り上がりをうまく作っているのではないかと思う。

あとキャラクターは本当にみんな魅力的。主人公も周りの友人たちもライバルもみんないいやつで面白い。相座がいいやつだねー。大好きだよああいうキャラ。あとは女性キャラが全体的に強いなーっていう印象をうけた。あれだけ女キャラがいて全員がおとなしいキャラの女の子がいないのは珍しいなーと思う。

椿かわいいー。でもかをりもいいキャラだから本当にどっちにも幸せになって欲しかったー。

11巻で終わってくれてよかった。
短いからこそ、一切だれずに読みきって読んでよかったと思える。