『羊のうた』冬目景
久々に『羊のうた』を再読してみた。
吸血鬼、というか人の血を飲まないと理性を失う病に蝕まれたきょうだいを現代社会の中で描いた作品。
「人を傷つけてしまう弱さ」が本当に上手く描かれていると思う。
きょうだい2人やそれを取り巻く人々の関係性は細やかで非常に良い。
高校時代一気に読んだのを思い出した。
【ここからネタバレ】
ラストはいくらなんでもご都合主義すぎるかなー、と思った。
そりゃきょうだい2人ともが死ぬのを見たかったわけではないけどさ。
全部忘れて再スタートじゃ、一砂がいろんなことを乗り越えたことにはならないよね。(代わりに八重樫さんは本当に強くなったと思うけど)
あと、風見さんはドラマを動かすのに必要だったんだろうけど、いかんせん不自然に行動的すぎる気が……。
志砂のことを好きなだけであそこまでやるか?千砂をあんな風に追い詰めるか?
まあ、些細なことかもしれないけど気になった。